【書評】「技術書」の読書術

はじめに

私は情報工学を学ぶ大学4年生で、来年度から大学院進学予定の者です。研究活動を行う学生として、技術書や論文を読むことは避けては通れません。そこで、それらを効果的に読む方法はないかと思い調べたところこの本に出会い、読むことにしました。

書籍情報

タイトル:「技術書」の読書術

著者:IPUSIRON、増井敏克

出版社:株式会社翔泳社

発行年月:2022年11月

ページ数:269ページ

www.shoeisha.co.jp

概要

「読書にルールはない」 ということを前提にしながら、「技術書の選び方」「技術書の読み方」「アウトプットの仕方」について著者らが各々の考え方を述べています。

印象的な内容

この本は「読書術」というタイトルですが、どういった基準・手順で本を選べば読書における失敗の可能性を抑えられるかといった「選書術」から述べられています。そこでは良本の定義を見直すことができました。

良本 = 読むことで目的を達成できる本

読書目的は読む本のジャンルによって違います。

人によって違うかもしれませんが、技術書の場合は大抵技術を習得することでしょう。

目的を達成できるような本を選ぶためには、自分のものさしで測る必要があるのです。

他の人が目的を達成できて良本だと評価したとしても、自分もまた同じように目的を達成できるわけではありません。

出来杉くんが理解できても、のび太が理解できるかわからないということです。

また、のび太が満足する内容であっても、出来杉くんが満足するかわかりません。

つまり、技術書を選ぶときはレベルを見極め、自分と合うか考える必要があるのです。

私は「入門」という言葉に釣られ、失敗したことがあります。

これからは書店に出向き、技術書のレベルを感じてから購入しようと思います。

また、レビューは「誰が」書いているかに注意して参考にしたいと思います。

私は技術書を読んでいて、序盤は良かったものの急に内容が難しくなり、やる気が失せそのまま読むのをやめた経験があります。

この時、私は1冊で読書目的を達成しようとしていたことが問題だったのです。

同じテーマの本を複数冊読む

第1部の話にも繋がることですが、同じテーマに関する本はごまんとあります。

そこで、読書目的を達成するために同じテーマの本を複数冊読むのです。

すると、ある本でつまずいてしまっても別の本で理解できるかもしれません。

これからはできるだけ「入門書」「専門書」「逆引き」の3種類を読もうと思います。

最後に、重要なことはわかっていてもなかなかできないアウトプット。(私だけ)

成長したいならアウトプットする

この本でもやっぱりアウトプットが重要だとされていました。

アウトプットは間違った理解や習熟度を確認することが目的です。

重要なことはわかっているのに、理解した気になってアウトプットをせずに学習を終わることが多々あります。

そんな私に朗報がありました。

アウトプットに「遅すぎる」ことはない

この言葉に救われました。

今までアウトプットしてこなかったものたちも、これから恐れずにどんどん発信していきたいと思います。

まとめ

この本を読んで、「技術書の選び方」「技術書の読み方」「アウトプットの仕方」についてインプットすることができました。

私はアウトプットとして読書記録をつけ、ブログにまとめてみました。

タイトルは「技術書」の読書術ですが、他ジャンルの本にも応用できる内容だったので、エンジニアに限らず多くの人にオススメできる本でした。

学んだ術を使って技術書を血肉にしていきたいと思います。